ハックン俳句でしょ!        ~愛犬ハックと俳句を楽しむ日々~

シーズー犬のハック(ハックルベリー)、俳句、そして草花について綴ります!

2020年10月

銀杏や欅、ならやぶななど黄色く紅葉した葉が落ちる様は、秋の終わりをことのほか感じさせられます。
北海道ではポプラ、カナダではメープルの黄落が絵画的で知られていますね。

この度旅行で巡った世界遺産の白神山地のブナ林は八千年もの昔からの原生林とのことで、その黄色に染まった景色は感動的という他にありませんでした。

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黄落のつづくかぎりの街景色
             飯田蛇笏

黄落の一陣しまく西行庵  志摩知子


黄落の道いくまがりみちのくは
             桂 信子

黄落の果てより現れて梓川
             下山芳子


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十二湖へことごとく橅(ぶな)黄落す
               慶月
                
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           乳頭温泉郷

十三夜は、陰暦九月十三日の夜、又は月のことをいいます。後の月は満月に二日早く、少し欠けているところを愛でる日本人の美意識とも言えますね。
枝豆や栗を供えるとのことです。


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皿小鉢洗って伏せて十三夜 
           鈴木真砂女

門出れば後の月ある別れかな
          赤星水竹居

山降りてすぐ山を恋ふ十三夜
           福田蓼汀

松島の後の月見てはや別れ
          野見山朱鳥

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北国の山の端青く後の月  慶月



ゴーツートラベルで八幡平、白神山地、角館などを夫と周っています。
単線の五能線にも乗りました。ホテルに入る前にバスの中からみた後の月です。
日が暮れて辺りの紅葉の色が全て消えて美しい月が見えました。今日眺めた青池を思い出しました。
残念ながら夕食のころはもう雨になっていました。
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甘柿(あまがき)は日本が本場とされていますが、渋柿は中国に多かったようです。あの柿本人麻呂の家にも木があったとのことです。
栄養も豊富で柿が色づくと医者が青くなるという地方もあるようです。

何と言っても誰でも知ってる「柿くへば鐘がなるなり法隆寺」ですね。立松和平さんが日本人の心だねえと言いそうです。
生活クラブから届く柿も奈良県産で、見るたび食べるたびに柿くへばーが浮かびます。


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里古りて柿の木持たぬ家もなし 芭蕉


柿くへば鐘がなるなり法隆寺  子規


柿色の日本の日暮柿食へば 加藤楸邨


柿食ふや命あまさず生きよの語
             石田波郷


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風呂場にて甘くなる柿待ちをりし
              慶月

子供のころ、親戚から立派な柿が毎年届きます。渋柿だから直ぐに食べられないからねと母がいうのですが、信じられずに一口食べたことがあります。食いしん坊は昔からでした。
へたの所を傷つけて焼酎を垂らします。それをお風呂の蓋の上に乗せます。母が出来たよというのが待ち遠しかった昔の話です。故郷では合わせ柿と呼んでいました。
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母が沢山残してくれた俳画の一つです。


いつものように、午前中に靖国神社や北の丸公園辺りを吟行して七句作り、お昼を食べて会場に1時に集まります。KIMG4703
素晴らしい秋晴れや菊花展、七五三で着飾った子どもなど俳句の種は沢山ありました。
花鳥例会は選者が三人の先生ですので、どなたかの特選に入れば嬉しい句会となり、帰る足取りも軽いのです。
今回も何とか副主宰の特選に一句入ることが出来ました。
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人気のあった先生方の俳句

水泡(みなわ)今鯉の秋声なりしかな

菊花展とは純白に会ふために  俊樹



神池を壺中の水と黄落す    

菊花並ぶるに兵士らの数ならず 順子


転ぶ子の母を呼ぶ顔芝の秋   圭魚


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副主宰からの特選句

天高し白鳩千木を巻くやうに 慶月


両主宰からの入選句

行く秋や雲なき天に包まれん 慶月

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21名の参加でしたが、毎回素晴らしい俳句に出会います。それと同時に自分の力不足を感じます。でも俳句が好きですので出来る限り参加したいと思います。来月は連休で孫たちが集まる日だから無理かなと思いながら帰路に着きました。



山野に自生する小菊の総称です。薄紫色はノコンギクとヨメナ、シオンです。白色はノジギク、黄色はアブラギク、イソギクなどです。秋の野山の風情にぴったりですね。
伊藤左千夫の野菊の墓を思い出します。ホトトギスに掲載されて夏目漱石が賞賛したとのことです。民子は野菊に生まれ代わったのでしょうね。大好きな野菊がお墓の周りに咲いていたのですから。
やはり純愛のまま終わるのが美しいですね。

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其人を恋ひつつ行けば野菊濃し
              虚子

かがみ折る野菊つゆけし都府楼址 
             杉田久女

花びらの欠けて久しき野菊かな
             後藤夜半

野菊摘む古へ人のごとくにも
            山田みづえ

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帰りたくないと野菊を友撫でし 慶月


中学一年の時帰り道が一緒で仲のいい友達がいました。家まで後2、3分の所が二人の分かれ道でした。その場所に佇み薄暗くなるまで話したものです。

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