月のない秋の澄んだ空気の夜に、満天の星が月の明かりのように感じる夜のことです。
先生は、ほしづくよと読ませる方が断然おもむきがあり良いとの話をされていました。
それにしても美しい言葉です。
私の経験では直ぐに長野県の星空を思い出します。
家族で行った高原の星空、夫と泊まった中山道奈良井宿の夜空などです。東京ではとても考えられないほどの耀きでした。
われの星燃えてをるなり星月夜
虚子
オアシスに汲む水蒼し星月夜
田中俊尾
一海里陸離るれば星月夜
となかしらほ
選ばれしやうに人逝く星月夜
前田恭子
遊女なき宿場眠れり星月夜 慶月
俳句を始めて三年目位の句です。
中山道奈良井の宿場はとても風情があります。江戸時代の宿が何軒か残っていて遊女が外から見られるような建物の造りのものもありました。早くにお店は閉まり、宿場の端に出ると星空だけが広がっていました。